手道具の正しい使い方−ノミはこうして使う
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ノミはこうして使う

ノミは、カンナノコギリと並んで木工には欠かせない、重要な道具です。

したがって、種類も大変多いうえに、同じものでもたくさんのサイズがあります。

ノミは、ゲンノウで叩いて使う叩きノミと、手で突いて使う突きノミの二つに分かれます。

叩きノミには、ゲンノウで叩いたときに柄頭が割れないようにかつらがはまっています。

突きノミにはかつらはありませんが、手で持って使いやすいよう、柄が長くなっています。

叩きノミにもさまざまな種類がありますが、ノミといった場合、一般的には追入れノミのことをいいます。

追入れノミはホゾ穴づくりや、組み手接合の手の間を抜いたりするときに用います。

ですから、その作業する部分に合った身幅(刃の幅)のものを選ぶようにします。

規格はすなわち身幅を示しており、小さいものから、3mm(一分)、6mm(二分)……48mm(一寸六分)などとありますが、初めて購入する場合は、6、12、18mmぐらいから揃え始められればいいと思います。 

■ノミの構造

ノミの手入れに入る前に、まず構造を簡単にみてみましょう。

刃の構造は、カンナ身とかなり似ていますが、決定的に違っているところは、刃裏の鋼が木端までまわっていることです。

これは、ホゾ穴づくりなどの無理な作業に耐えうるよう、木端を丈夫にするためです。


■ノミの基本的な使い方

ノミを使うときは、まず姿勢に注意しましょう。

作業台の上に座るとき、またがって座ってはいけません。

足はそろえて作業台の右側に腰かけ、体を少し左側にひねって、正面を向きます。

このように座るのは、万一ノミが滑っても、ノミを腹部ではなくももで受けとめるからです。

握り方は左手で柄頭を若干残すぐらいに握ります。

この左手がグラグラしては正しい穴あけができません。

左手のひじを調整して、きちっと構えることが大切です。

ゲンノウは垂直に柄頭を打ちつけます。最初は手元が狂って手に当てたりするので、ゲンノウのツチの部分に近いほうを持って、小刻みに軽く叩きます。

頭を叩くと頭がゆるんで踊り出すので、柄のほうを打つようにしましょう。

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■ノミの手入れ法

ノミの手入れですが、主として刃の研ぎがあげられます。

研ぎの基本は、カンナ身を研ぐ場合とほとんど同じです。

ノミの刃を研ぐときは、柄の部分よりはやや下の部分を右手でつかみ、刃裏の部分を左手で押さえます。

砥石の使い方などは、カンナ研ぎに準じます。

ただ、カンナ身の場合、切れ刃はまっすぐに研ぎ上げますが、ノミは切れ刃の両端、つまり耳の部分が立つように仕上げます。

ノミの刃裏は、カンナ同様平面に研ぎます。ホゾ穴彫りなどの作業では、ノミをぴったりつけて使うので、刃裏の丸いものでは正確な作業ができません。

身幅の広いものは、カンナ身の研ぎとほとんど同じですが、細いものの場合、より注意を要します。

刃は研げば当然短くなっていきます。大工さんのノミが短い場合、短いほど長く使ってきた証なんですね。


■ホゾ穴のつくり方

ホゾ穴づくりは、ノミの最も基本的な使い方なので正確に覚えましょう。

まず、ケヒキなどでホゾ穴の墨つけをします。

次に2mmほど内側にノミを入れて線をつけます。

始めから仕上がり線に沿って削ると、でき上がりのホゾロが汚くなったり、仕上がり口の大きさが墨つけの寸法より大きくなるからです。

それから先はイラストで示したとおりです。

注意したいのは、ただ叩くだけではノミは垂直に深くは入りません。少し垂直に彫ったら、次は垂直に打ったほうに向かい、斜めにノミを入れます。

このとき刃裏が上を向くようにします。

ノミを起こして屑を出し、また垂直に打ち込みます。

このようにして穴を広げていきます。

底をすくうときは、やはり刃裏を上に向けて削るようにします。

ホゾ穴をつくるには、中央の部分から削るやり方もあります。

同じように墨線の内側2mmのところに線を入れ、中央部からV字形に斜めに彫り込んでいきます。

そして垂直に打ち込み、斜めから刃先を打ち込んで削り取る作業を繰り返します。

底面の彫りに近づいたら、刃裏を上に向け、底面を彫り上げます。

最後に仕上がりの基線を削り落とします。

ホゾ穴づくりは、穴が浅いほど簡単で、反対に小さく探いと大変難しくなります。

また、ホゾ穴を貫通させる通しホゾも要領は同じです。

表と裏がずれないように墨をつけ、同じように彫り進めます。

ホゾ穴づくりに関して注意したいことは、まずノミをこじらせないこと。

丈夫にできているとはいえ、無理な力をかけるとやはり刃先が傷みます。

小刻みに叩いて少しずつ欠きとるようにしましょう。

また、ゲンノウで叩くときはどうしても柄頭のところに目がいきがちです。

しっかりと刃先を見て、正しく打ち込まれているか確認しましょう。
 


内側2mmのところに線


中央部からV字形に斜めに彫り込む


削り取る作業を繰り返す


反対側も内側2mmのところから


削り取る作業を繰り返す


刃裏を上に向け、底面を彫り上げる


最後に仕上がりの基線を削り落す

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関連ワンポイント

形の違ったいろいろな種類があるノミ

ノミには実に多くの種類があります。

叩きノミと突きノミに大別され、叩きノミの代表的なものは追入れノミと向こう待ちノミかあります。

1.追入れノミ
大入れノミとも呼ばれ、ノミの代表選手。

木工作業の中で、軸組み工事のあとに施される天井や床、棚や階段などの雑多な仕上げ工事(まとめて造作という)を行うときに使われるノミです。

深い穴あけやこじって使ったりはできません。

主として浅い穴あけに使います。

2.向こう待ちノミ
厚さが身幅よりいくらか厚くつくられており、打ち込んで前後にゆすっても平気なように丈夫につくられています。

ただし、横にゆすることはできません。

深い穴あけに用います。

3.薄ノミ
穂が薄くなっている突きノミの代表。

ホゾ穴の仕上げ削りや細かい突き削りに用います。

右手で柄頭を包んで持ち、左手をガイドにして突きます。

かつらをつけて叩けるようにしたものもあります。

4.しのぎノミ
薄ノミに似ていますが、切れ刃の形が三角や台形になっています。

狭い場所にノミが入りやすいようになっています。

5.丸ノミ
外丸と内丸があり、丸太を組んだりするときに使います。

6.こてノミ
首の部分がこてのように曲がったノミ。溝の底さらいをするときに用います。

7.もりノミ
刃先がいわゆるもりの形をしたもので、穴の底をさらったりするときに用います。

ノミのかつらは自分で調整してはめ込む

かつらをはめ込むことを「かつらを下げる」といい、ノミを使ううえでは大切なことです。

まず、かつらの内側を丸ヤスリで調整し、柄頭の部分を削って木殺しします。

かつらを叩き込み、かつらからはみ出た柄頭の部分を外に向かって打ち広げます。

ホソ穴の墨つけには、シラガキなどで正確に

ホゾ穴の穴あけ位置に墨つけをするときは、普通鉛筆を用います。

ペンなどでは、シャープですが色がない欠点があり、また色飴筆では正確さに欠けます。

鉛筆線を引いたあとは、墨線に沿って切り込みを入れます。

これは、仕上げの精度を高めるためで、シラガキケヒキなとを用いるのがベストです。

ただ、切り出し彫刻刀やカッターナイフで代用してもかまわないでしょう。

木端面を仕上げるには刃裏を表にして使う

追入れノミで木端面を仕上げるときは、ゲンノウを使わずに手で押して削ります。

ノミの刃裏を木端面につけて削るやり方と、反対に刃表を上にして削るやり方があります。

刃衷を下につけるとかじが取れず、不安定です。

切れ刃のほうを木端に密着させているとかじがとりやすく、深くも浅くもでき、安定します。


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